京つう

イベント  |洛北

新規登録ログインヘルプ


2009年05月09日

きっかけは家出



大学受験の終盤、2月10日から25日の間は試験がなかった。
精神的に不安定で親と少しぶつかったこともあって、自習室に行くと言って家を出て、わたしは長野県までプチ家出をしてしまった。

京都までの180円の切符を買ったものの、次にどこに行くかまだ決めていなかった。博多方面に行こうかと考えたけど、受験関係のこともあって、長野に行くことにした。


京都から米原、大垣、名古屋、中津川、中津川からワンマン電車に揺られること2時間、夜8時に松本市に到着した。精算機に切符を通したら「係員にお申し付け下さい」と言われて精算してもらったら5000円ちょっとだった。

取りあえず電車で調べたホテルに行ってみたら、なかなかよさそうな所だったのでお世話になることにした。一人ホテルは初めてで、なんだかわくわくしていた。寝るだけなのに…笑。



2日目、向こうの地元のバスに乗っていたら、6人のおじさん、おばさんが乗って来られた。しばらくしてそのうちの1人のおばさんに肩をポンポンとされて、メモノートに書かれた字を見せられた。

「わたしたちは耳が聞こえません。○○○にはどうやって行きますか?」

後ろの座席を見たら、みんな手話で話しておられた。
地元のおじさんらしき人に行き方を尋ねて、わたしは手話が出来なかったので、筆談と身振り手振りで会話を試みた。


松本城に行くために聾唖者の方々と一緒にバスを降りて、会話を続けた。

きっかけは家出

6人とも小学校の聾唖者学級の同級生で、今は住む場所がバラバラだけれども、年に1回みんなで集まっていろんな所に旅行に行っているらしい。わたしは彼らの、その年に1回の旅行に出くわしたのだ。



わたしも、京都の高校生で受験期間の途中だけれどもプチ家出をしてしまった話をした。話を聞いたら興奮されて、はしゃいでおられた。笑
大人になっても仲良しで、小学生の時の無邪気さが残っているような感じで、手話で会話され、とても旅行を楽しんでおられた。その姿は今でも目に焼きついている。

「大学生になったら手話をやりたいです!」

と伝えたら、みなさんに

「頑張って!」

と言われた。彼らに会うために家出したような感じで、偶然だがほんとうに素敵な出会いだった。彼らの笑顔は本当に輝いていた。




京都に戻ってからの試験でわたしはなんとか福祉系の学科の大学に進むことができた。そして手話サークルに入って活動を始めた。

サークルは他に、高校から写真をやってきたので写真サークル、バスケットボールサークル、身障者の方の家に行って料理を作るボランティア2つをやろうと思っている。中高で水泳部に所属していたので、身障者の方と一緒に泳ぐボランティアもやってみたい。




今日、大学の帰り駅で電車を待っていたら、隣のおばあさんがメールを見てすごい笑っておられて、そのメールをわたしに見せてこられた。どうやら絵文字がおもしろかったらしい。
そして手話でしゃべってこられた。

「この絵文字おもしろい!」「わたし耳聞こえない」

みたいな。普段の生活で聾唖者の方にお会いしたのは初めてだった。

「わたし手話少し出来ます」

って手話で返事してしまった。まだ始めたばっかりなのに…笑。
そしたらおばあさんは、喜んでいろいろ話しかけられたけどほとんど理解できなかった。
でも笑顔で別れることが出来てよかった。



いろいろあったけど今の大学に入れて本当によかったと感じてきている。京都学生団体ENの活動も大学生活も楽しみだ。

自分に何が出来るかわからないけど、大きな目標を持ちつつ、目の前のことを楽しみながら頑張りたい。


わかな




Posted by 京都学生団体EN at 02:08│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。